組織から評価される人に共通すること

石﨑施設長のBLOG

 私は乗り物が好きなので、この車が何馬力か、トルクが何ニュートンか、タイヤの扁平率や性能、サスペンションや乗り心地の違いに興味が湧きます。車屋さんに聞くと、プロは知識が豊富なので、いろいろ教えてくれます。では、車の知識があれば営業成績が良くなるかというと、実はそうではないそうです。顧客家族の経済状況、ライフサイクル、夫婦のパワーバランス、好みなどなど、家族の物語を含めて把握し、最善の提案ができる人が成績を残す営業マンだと。

 営業マンはもちろんですが、良いデザイナー、良い画家、良い建築家、ホテリエ・・・も、商品や成果物という結果に至るまでのストーリーを重視して仕事をしているそうです。アウトプットとして建築物や絵画、宿泊サービスがあるわけですが、そのアウトプットに至るまでの、その物語を作る時間が充実していればいるほど、満足度が高い商品にたどり着けます。聞けば当たり前ですが、顧客が求めていることを理解し、把握している人がプロとして結果を出す。結果を出す以上、評価されることになる。福祉の専門職も言わずもがなですよね。利用者や入居者、その家族の方々が言いたいこととは何だろうか、どんな気持ちなんだろうか、それを真剣に考え、理解するから良い仕事ができる。

 さらに、主任格職員になると、マネジメント能力として「情報の上下の行き来」が役割として加わります。上司がその話をする意味は、その指示を出すのはどういう意図があるからだろうか、部下が、同僚がその話を、その意見を出すにはどういう意図があるのだろうか、向き合って手間をかけ、咀嚼して自分の言葉で語れるようになって初めて上司の言うことを部下に伝え、部下の想いを上司に伝えることが可能となり、評価されることになります。

AIでも、ただの伝書鳩でもないのです。

 ケアマネジャーになりたての頃、研修で「恋人のように人の話を聴きなさい」と教わりました。だれもが大切な恋人には興味を持って関わり、大切にしますよね。いち担当職員であろうが、役職者だろうが、施設長だろうが、人の話をしっかりと聴ける人。私のことを考えてくれているな、という実感を与える人でありたいですね。

 生業として人の話を聴いていると、すぐにコップが一杯になるので、家で話が聴けません・・・なんてことにならないよう、お気をつけください。

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